今や国民病ともいわれる花粉症。多くの人がこの時期、花粉症に苦しんでいるのではないでしょうか。集中力が落ちたり、メイクが崩れたり、仕事にも影響が出てしまうことも。つらい花粉症、今年は漢方で乗り切ってみませんか?今回は花粉症におすすめの漢方薬を「丸の内の森レディースクリニック」漢方外来の吉住先生が解説してくれます。漢方薬はあなたの体質に合わせてじっくり根本からアプローチしてくれるので、毎年繰り返す花粉症に悩むあなたにもおすすめです。
花粉症に漢方が良い理由
花粉症とは、漢方医学的に体内の水分代謝がスムーズに行われず、停滞している「水滞」の状態といえます。このような状態を改善しながら、花粉症のつらい症状を和らげてくれるのが漢方薬です。西洋薬のように眠気を気にせず服用できるのもメリット。根本原因にアプローチするので、毎年繰り返す花粉症にもおすすめです。

花粉症におすすめの漢方薬3選
小青竜湯(しょうせいりゅうとう) : 水っぽい鼻水やくしゃみに
苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう) : 冷えがあり胃腸が弱い場合の水っぽい鼻水に
越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう) : 熱っぽく、かゆみがひどい場合に
1. 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
こんな症状に : 水っぽい鼻水、くしゃみ、鼻のムズムズ感、涙目、透明な痰が出る咳などに。まるで風邪のような、サラサラした鼻水の症状に効果的です。
含まれる生薬 : 麻黄、桂枝、乾姜、細辛、五味子、芍薬、半夏、甘草。体を温め、水分代謝を良くする生薬が配合され、水っぽい鼻水を改善します。即効性はありますが、胃腸の弱い人や高血圧の人の使用は注意が必要です。
2. 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)
こんな症状に : 水っぽい鼻水、くしゃみ、咳、冷えなどの症状に。
含まれる生薬 : 杏仁、半夏、茯苓、五味子、乾姜、甘草、細辛。副作用が出にくく、胃腸の弱い人でも安心して使用できます。
3. 越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)
こんな症状に : 目、鼻、喉、肌などの痒みがひどい、粘り気のある鼻水が出る、熱っぽい、鼻粘膜がむくんでの鼻づまりなど、炎症症状の強い人に。熱感を伴う花粉症に効果的です。
含まれる生薬 : 石膏、麻黄、朮、大棗、甘草、生姜。炎症を抑え、熱を冷ます効果のある生薬が配合されています。
花粉症と漢方:まとめ
花粉症は水滞をベースに、寒証・熱証などが複雑に絡み合って起こると考えられます。また、漢方薬によっては、胃腸障害や血圧上昇を起こすこともあるので、その人の体質や状態に合わせた処方が重要です。自己判断せず、漢方に詳しい医師に相談しながら、自分にぴったりの漢方薬を見つけて、快適な春を過ごしましょう。