春は暖かな陽気で精神が高揚し、気が乱れやすい季節。特に4月は新しい環境によるストレスも重なり自律神経が乱れやすく、心身に不調が出やすい時期です。漢方では、自律神経のバランス調整やストレスへの対応に「肝」が重要な役割を果たすと考えられています。「肝」の働きがスムーズでないと、イライラしやすくなったり、気分が落ち込んだり、不眠に悩まされたりすることもあるので要注意です。
漢方のチカラで不調を根本解決!
新しい環境でのストレスは、漢方では「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と呼ばれる状態。肝の働きが滞り、気の流れがスムーズでなくなると、様々な不調が現れます。
漢方薬は、肝の働きを整え、気の流れをスムーズにすることで、心身のバランスを取り戻し、穏やかに過ごせるようサポートします。

春先不調におすすめの漢方薬3選
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ) :冷えのぼせ、疲れやすい、肩こり、不眠どの症状のある方に
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) : 精神不安、不眠、頭痛、肩こり、動悸などの症状がある方に
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) : 不安感、のど・胸の異物感・閉塞感、動悸、めまい、咳などの症状がある方に
1. 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
比較的体力が低下し、気の流れが滞っている「気滞」「気逆」のタイプにおすすめ。
こんな症状に : イライラ、怒りっぽい、不安感、不眠、神経性胃炎、食欲不振、吐き気など
含まれる生薬 :柴胡、芍薬、当帰、川芎、茯苓、蒼朮、陳皮、半夏、甘草
気の巡りを良くし、精神を安定させることで、イライラや不眠などを改善します。胃腸の働きを整える生薬も含まれています。
2. 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
比較的体力があり、気がふさぎがち「気うつ」のタイプにおすすめ。
こんな症状に : 精神不安、不眠、頭痛、肩こりなど
含まれる生薬 : 柴胡、黄耆、竜骨、牡蛎、半夏、人参、茯苓、桂枝、大棗、生姜
精神不安、不眠、抑うつ、イライラなど様々な精神症状や頭痛、肩こりなどの症状を改善します。
3. 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
気の流れが滞っている「気滞」タイプにおすすめ。
こんな症状に :不安感、のど・胸の異物感・閉塞感、動悸、めまい、息苦しい、吐き気・咳など
含まれる生薬 :半夏、厚朴、茯苓、生姜、蘇葉
自律神経の乱れと漢方:まとめ
4月は新しい環境によるストレスで、自律神経が乱れやすく、心身に様々な不調が現れやすい時期です。肝の働きを整え、気の流れをスムーズにする漢方薬は、この時期の心強い味方。自分に合った漢方薬を選び、穏やかに新しいスタートを切りましょう。自己判断せず、漢方に詳しい医師に相談しながら、自分にぴったりの漢方薬を見つけて、快適な春を過ごしましょう。