春は三寒四温といわれますが、寒暖差が激しく、体調のバランスが乱れがちです。環境の変化に体がついていけず、冷えのぼせや倦怠感、肩こり、頭痛といった不調を感じやすい時期でもあります。また、春先は何かと忙しく、ストレスも溜まりやすい時期。漢方は、あなたの体質に合わせてじっくり根本からアプローチしてくれるので、心も体もゆらぐこの時期、漢方薬がおすすめです。
漢方のチカラで不調を根本解決!
「冷えのぼせ」は、漢方では「上熱下寒(じょうねつげかん)」と考えられ、体の上部に熱がこもり、下半身が冷えている状態です。
さらに、疲れやすい、食欲不振といった症状がある方は気が不足している「気虚」、イライラする、眠りが浅いといった症状がある方は気の巡りが悪い「気滞」や「気逆」の可能性があります。
漢方薬のチカラで今年のゆらぎの時期を乗り切りましょう。

春先不調におすすめの漢方薬3選
柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう) :冷えのぼせ、疲れやすい、肩こり、不眠などの症状のある方に
温経湯(うんけいとう) : 冷え症、ほてり、生理不順、貧血気味などの症状がある方に
補中益気湯(ほちゅうえっきとう) : 疲れやすい、だるい、食欲不振などの症状がある方に
1. 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
体力がなく冷えのぼせを感じる「気逆」「気虚」のタイプにおすすめ。
こんな症状に : 冷えのぼせ、微熱、倦怠感、肩こり、不眠など
含まれる生薬 :柴胡、黄芩、栝楼根、桂枝、乾姜、甘草、牡蛎
うるおいを与えて上半身の熱を冷まし、下半身を温めることで、冷えのぼせを改善します。さらに、気持ちを落ち着かせて動悸や息切れ、不眠などの精神神経症状をやわらげる効果もあります。
2. 温経湯(うんけいとう)
血の巡りが悪く、血流が不足している「瘀血」「血虚」のタイプにおすすめ。
こんな症状に : 冷え症、手足のほてり、のぼせ、皮膚や口唇の乾燥、生理痛、生理不順など
含まれる生薬 : 麦門冬、半夏、当帰、甘草、桂枝、芍薬、川芎、牡丹皮、人参、呉茱萸、阿膠、生姜
血行を促進し、体を温めることで、冷え症を改善します。また、ホルモンバランスを整える働きもあるため、生理不順や生理痛にも効果が期待できます。
3. 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
元気が足りない「気虚」タイプにおすすめ。
こんな症状に :倦怠感、疲労感、食欲不振、日中の眠気、風邪を引きやすいなど
含まれる生薬 : 黄耆、当帰、柴胡、人参、蒼朮、陳皮、升麻、甘草、生姜、大棗
胃腸の働きを助け、気を補って元気をつけることで、疲れやだるさを改善します。免疫力を高める効果もあるため、風邪の予防にも役立ちます。
寒暖差の冷えのぼせと漢方:まとめ
三寒四温のこの時期は、気温の変化が激しく、冷えのぼせや体の疲れを感じやすく、さまざまな症状が現れがちです。
漢方薬は、体質に合わせた根本的な改善を目指せるため、この時期の不調におすすめです。柴胡桂枝乾姜湯、温経湯、補中益気湯のほかにも、様々な漢方薬がありますので、漢方に詳しい医師に相談しながら、自分にぴったりの漢方薬を見つけて、快適な春を過ごしましょう。